横山修三君を偲んで

経済新人会金融研究部OB会長(元住友生命職員)

                                  松岡久幸

 

 

 横山修三常務理事が逝去されてから早くも1年を迎えます。横山君は昭和47年3月本塾大学経済学部を卒業し、千代田生命保険相互会社に入社、企業保険・不動産をはじめ社内の多くの分野で活躍されました。また慶應義塾保険学会常務理事として学会の運営に携わりました。保険業界の先輩としてご活躍の様子を、尊敬の眼差しで拝見しておりました。

 

 慶應義塾保険学会ではシンポジウムで司会者をつとめるなど、学会の運営の中枢で活躍されました。横山君は退職後、勤務時の経験を生かして渋谷に不動産の事務所を開設していました。その後、神奈川県マンション管理士会副会長兼総務広報委員長として会の難題に立ち向かい温厚な人柄で会の運営と発展に貢献されました。当マンション管理士会では横山君を追悼する記事を会報に掲載しております。また、日本マンション管理士会連合会でも理事ADR検討委員会・国土交通省補助事業担当の要職にありました。

 

 私にとって横山君は後輩を導き下さった経済新人会金融研究部の良き先輩です。経済新人会金融研究部での横山君は昭和46年にOB総会を現在の形の整えてくださったOB会の功労者でもありました。当時私は経済学部1年でしたが、三田の学生食堂(当時)でのOB総会には沢山のOBが出席されました。また、金融研究部会報「金融論ノート」の編纂にも尽力され、当時しばらく休刊していた金融論ノートを横山君が中心となって復刊され、金融論ノートが今に続く礎を作られました。昭和462月発行の金融論ノート第5号表紙には「第5号(復刊第1号)」と記されております。私の現役当時はOB訪問として、各OBに現役が訪問させて頂きましたが、OB訪問に関する諸注意などアドバイスを横山君から頂いた事も記憶に残っています。横山君の指示で金融研究部OBの三井生命栃木支社長様を訪問させて頂いたことが、その後の進路選択に大きく役に立ちました。

 

 最近時々開催されるOBの懇親会では、横山君から内容の深い教示を頂きました。直前の保険学会でも、お元気な様子で言葉を交わしましたが、平成28426日に急逝されました。通夜には金融研究部OBも多く参列、横山君を偲びました。慶應保険学会から堀田一吉理事長(商学部教授)はじめ役員の諸君も参列されました。また、友人として丸山徹名誉教授(元経済学部教授)も参列されました。日本マンション管理士連合会からも会長はじめ関係者が葬儀に参列されました。

 

 私は金融研究部のOB会長として、平成28年発行の金融論ノート発刊に際し、金融論ノート第6号(昭和473月刊)に掲載された横山君の「卒業を迎えて」を転載させていただきました。数多くの示唆に富んだ記事です。サークル活動の原点である自ら主体的に活動に参加することを強調されています。その一部を引用させて頂きます。

 

 「金融研は現状に止まるクラブであってはならない。常に新しいものを求め、討論と実践のクラブであってほしい。現役諸君の実行力に期待しています。」

 

 横山君のご冥福をお祈りいたします。

 

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