東日本大震災から5年、若い皆さんへお伝えしたいこと

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

営業統括部長 岩本邦夫

 

去る38日(火)、日本損害保険協会主催の大学生向けシンポジウム「もっと!防災」が開催された。本シンポジウムは、東日本大震災から5年の節目を迎えるにあたり、これからの社会を担う大学生の皆さんと震災を振り返り、今後起こりうる自然災害へのリスクをあらためて認識し、日頃からどう備えるか、いざという時にどう行動するかを共に考える機会にしたい、との趣旨で開催され、当日は約550名の来場者が基調講演・パネルディスカッション等を真剣に聞き入った。

 

冒頭、日本損害保険協会の鈴木協会長(あいおいニッセイ同和損保㈱社長)より、発災から3ヶ月で55万件・1兆円を超える地震保険金の支払いを完了し、被災者の生活再建に役立てた損害保険業界の対応や、震災の対応を踏まえ「自助・共助(※1)(※2)」の大切さを認識してほしいとの主催者挨拶の後、来賓の舛添東京都知事からは、災害時には若い力が必要であり、平時よりリーダーとして地域の防災力を高めてほしい、とのビデオメッセージが寄せられた。また、パネリスト(大学生)からは自らのボランティア経験を通じた気付きや教訓が語られ、来場者からも「改めて防災について考える良い機会となった」との感想が出された。

(※1)自助:「自分の身は自分で守る」こと

(※2)共助:「互いに助け合う」こと

 

前述の「自助」の状況について付言したい。

地震保険への加入は「自助」の一手段であるが、全国平均の地震保険付帯率(※3)(※4)は、震災直後の2010年度末48.1%に対し、2014年度末では59.3%に増加した。特に被災3県では、福島40.1%68.7%、宮城68.7%85.3%、岩手44.6%65.3%と大幅な増加を示したが、一方で30%台の県もあるなど地域毎の意識の差があることも現実である。我々損害保険業界としては、地震保険のさらなる普及に向け、一層の啓蒙活動を強化してくべきだと改めて痛感している。

(※3)出典:損害保険料率算出機構

(※4)付帯率:火災保険契約(住宅物件)に地震保険契約が付帯されている割合

 

基調講演の中で、明治大学大学院の中林特任教授より、「災害を想像し対策を創造する、2つの『そうぞう力』で災害は乗り越えられる」との説明があったが、大切なことは、日常から「考える⇒備える⇒実践する⇒さらに改善する」を繰り返すこと、すなわち「防災のPDCA」を回し続けることだと強く感じた。

 

本シンポジウムに参加した多くの大学生の皆さん、そして本稿をご覧になった多くの方々には、未曽有の東日本大震災を経験した世代として、この経験から学んだ教訓を一人でも多くの人に伝えていただくことにより「地域防災の輪」が拡がることを願っている。そして、これこそが「震災の『経験と教訓』を風化させてはならない」ことの実践であり、「防災のPDCA」につながる道だと考える。

 

さらに、こうした活動を通じて、一人でも多くの大学生の方が、損害保険会社の業務に関心を持ち、自身の進路の一つに損害保険会社を選択していただければ幸甚である。 

 

以 上

 


この原稿を書き上げた直後に、熊本地震が発生し甚大な被害となっております。被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げますとともに、私ども損害保険会社として、お客様に一日も早く保険金をお届けし、ご安心いただくため、全力でサポートしてまいる所存です。

 


 

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