「塵も積もれば」の女性の労働力

株式会社サロンドール 代表取締役 池上真麻

 

 

 妹と起業して5年が経つ。今でこそ「女性が輝く」という言葉がキーワードにもなっているが、我々は当初から「女性が輝ける場所の提供」を企業理念としてきた。

 

 はたして「女性が輝ける」とは何か。「女性が働く」ということはどういうことか。あらためて考えることが多い。

 

 正規雇用か非正規雇用かという議論、また女性が輝ける労働がフルタイムでの労働であることが前提である議論を目にするが、疑問に思うことも多い。

 

 慶應義塾を卒業し、超一流企業で男性と同等に働いてきた多くの友人たち。優秀な彼女たちであっても、結婚し子供を産むと仕事を辞めてしまう人も決して少なくない。もし完璧な託児システムがあったとしても彼女たちの中には子育てに専念しているだろうと推測される人も多い。

 

(ちなみに、妊活のために仕事を辞めざるを得なくなった人もいる。)

 

 フルタイムで以前のように復職するというのはもちろん立派だ。しかし子育てに専念するということは決して非難されることではないと思う。しかし、この第3号被保険者とされる女性たちが少しでも働くことができたなら、彼女たちにとっても、家庭以外にも必要とされる機会が生まれ「輝ける場所」が生まれるのだ。社会と繋がることがどれだけ彼女たちを輝かせることができるか。実に見ていて嬉しくなるものだ。また、その労働力は20人を合わせても、ようやく一人前にしかならないかもしれないが、無視できない力となるはずだ。

 

 現在弊社にはそういった女性が約20名関わってくれている。資格を取得後にフラワーアレンジメント等のデザインや講師として、またWebデザイナーとして、あるいは事務スタッフとして。

 

 労働力という観点からは非難されがちな第3号被保険者だが、「塵も積もれば山となる」である。2015年度税制改正大綱では2016年より専業主婦の確定拠出年金への加入が可能となることが決まった。

 

日本経済新聞WEB 2014/12/31

 

 これからは「主婦」の力が試されるのではないだろうか。また、その力を眠らせておかない策も早急に必要であろう。

 

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