揺れ動く保険ニーズ

株式会社バリュー・エージェント 保険事業部
 ファイナンシャル プランナー 伊柳正

 

 私が保険業界に入ったのは1999年の終わり頃でしたが、それなりの経験をさせて頂きながら保険のセールスを続けて来られたのも素晴らしいお客様に恵まれからです。私なりに勉強はしてきたものの知識が実際に役立ったというよりは現場でお客様に接し、多くの失敗の中から学ばせて頂いたことの方が多く、その過程でいろいろな種類の保険に触れることができました。

 今になって改めて思うのは「お客様の保険ニーズとは何なのか」ということです。保険の種類も実に様々なのですが、お客様の保険に対するニーズも様々で時間の経過と共に変化をするものでもあるように感じます。

 「ウチの会社は従業員教育も万全だし、事故なんておきないから保険は最低限度で充分だ」

と仰っていた経営者さんが、ある日突然「補償内容を見直したい」と連絡を頂いたことがありました。何があったのかをお尋ねしたところ、同業他社さんで重篤な事故が発生し急に心配になったということでした。確かに身近なところで事故が発生したというのは事実なのですが、もともと保険に加入するのは最低限で良いとしていた理由(従業員教育が万全であること)はその時点では変わっていないはずなのです。よくある話ではありますが、保険に対するニーズというものが小さなキッカケで大きく変化する場合があるということを改めて考えさせられた出来事でした。

 保険商品を並べてその中から選んでベストな提案をすることだけが保険セールスの仕事ではなく、お客様の周辺環境により揺れ動いてしまうニーズを的確に捉え、適切なアドバイスによりお客様をお守りすることも重要な仕事であると考えますし、そうなるために実践と研究を重ねていきたいと思っています。

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