生保業界の就活生気質

生命保険会社人事部

採用担当主任スタッフ

光野 悠

 

 

 ここ近年売り手市場のなかで、多くの内定数を確保する学生が増えてきている。採用活動を通じ、多くの学生と接点を持つなかで感じることは意識の高い学生が多いことと、また安定志向が強いことだ。

 

 2016年度入社予定者向け新卒採用活動から大幅に採用スケジュールが改定され、今年度については、3月に採用広報活動開始、6月から選考開始となり、学生が企業を選択する期間は短縮化されている。限られた時間のなかで、自分にあった企業を探すため、3月以前から就職について強く意識を持ち、業界および企業研究を進めている。しかし、採用活動期間が短縮化されているものの、実際学生は大学3年時から各企業のインターンシップに参加するなどの活動を行なっているのが現状である。

 

 そのため、実際に企業の説明会や職員と接触を持つ前から。ある程度志望業界を定める学生が増えており、採用活動開始直後であっても、業界および企業について、また学生自身がやりたいと思う仕事をある程度定めている学生が増えてきたと感じる。

 

 2点目にあげた安定志向が強いという点については、同じ企業に長く安定的に働きたい、またなるべく大企業に勤めたいという学生の声を聞くようになった印象がある。特に女子学生においては顕著に表れており、女性活躍推進に伴い結婚、出産しても働き続けたいという志向が強いように感じる。

 

 ただそのようななかでも、前者であげたように「意識の高い学生」は多いように感じる。学生なりに考え、理想とする社会人像や成し遂げたいことはしっかりと持っている学生は多い。毎年変わる採用環境のなかで学生もしっかりと順応し、取り組んでいるように感じる。

 

 就職活動に正解はなく、その年の社会背景によっても大きく左右されるものである。そのようななかで、人生において大きな決断である入社する企業を学生は選択しなければならない。学生へプロモーションする企業側としては、少しでもわかりやすく、また魅力的に自社について伝えていきたいと思う。そして、短期間のなかで学生が企業を選択するからこそ、入社後のミスマッチが生じないよう取り組んでいくことが、採用担当者である私たちにとって重要なことではないか、と考える。

 

 一方で、学生もしっかりとした目を養っていくことが重要かと感じる。限りある少ない学生生活のなかでより多くのことを学び、経験することで自分の特徴や軸が見えてくる。本当に自分にあった企業を見つけ、出会い彼らの将来につなげてほしいと思う。

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