大韓民国 教保生命
元 亨奎
慶應義塾大学大学院で学び帰国し、現在、韓国の大手『教保生命保険株式会社』の日本責任者として赴任しています。
韓国では、日本で話題となった『不払い問題』が、ほとんど起きない理由を簡単にお話ししましょう。
大韓民国では国民全員に、生年月日、男女別、出生地などを数値化した『住民番号』が付与されています。これは国内に長期滞在する駐在員等の外国人にも付与されます。
この番号によって特定されたすべての加入者情報が、業界のデータベースに集約されているわけです。したがって、遺族は問い合わせさえすれば、故人のすべての保険加入・支払情報を得ることができるので請求漏れが生じません。
この情報は、アンダーライティングにも活用されていますので、告知漏れによる契約解除等も起こりにくくなっています。
日本では、生年月日・氏名他を使っての『照合』だと思いますが、個々の会社内だけでも完全な特定には至らないはずです。最近『マイナンバー』などの導入が議論されているようですが、プライバシー問題から反対の意見もあるようで、生命保険業界がこれらを活用するに至るのは、まだ先のことになるでしょう。
このことは、IT大国・韓国生命保険業界の、日本より一歩進んだ面だと自負しています。