産經新聞社 編集委員 小林隆太郎
値上がりして誰も困らないモノがある。
それは何か。答えは株価。
売る側はホクホク。
買う側は先行きの値上がりにワクワク。
売買が膨らんで仲介者(証券会社)は手数料増収でニコニコ。
株価が値上がりするには(逆に値下がりも)実に多くの理由がある。
株式市場が資本主義経済の心臓部であるゆえんである。
この株価の上げ下げを最も気にしているのが機関投資家といわれる人たち。
生損保会社、銀行や信託銀行、証券会社、各種ファンド、年金基金まで幅広い。
保険では契約者から預かった保険料で、株式や債券などを購入して「運用」し、あがった利益を契約者によりよい配当として還元するとともに、事業者としての収入とする。
保険ビジネスの基本パターンである。
だから、株価の上昇トレンドは皆にとってハッピーだ。
株式市場は、経済の先行指標といわれる。
広い範囲での市場関係者が、経済・産業の先行きをどのように見ているかで株価が動く。
判断要素として為替動向、住宅需要、金融政策、エネルギー動向、さらには政治状況など多種多様にある。
保険ビジネスは、常に株価動向をウオッチし、その分析に注力することが肝要となる。
しかし、混迷の時代これが難しい。 (了)