社会の変化に寄り添う

産經新聞社 元編集委員

小林隆太郎

 

 

 

 米国では連邦最高裁が、「同姓婚の権利は合衆国が認めるところであり、一部の州で同姓婚が州法によって認められていないのは憲法違反である」との判断を下した。欧米では同姓婚は自然の権利、人権として認められてきたといえる。日本でも4月に東京都渋谷区が「同姓カップル条例」が区議会で可決、成立した。その後、世田谷区でも追随する動きとなった。
 
 確かにLGBT(性的少数者)の一般的市民権は世界的に高まり、意識は広がりつつある。それが日本でもようやく広がり始めたといえるが、同姓婚については日本では憲法で「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」(21条1項)とあり、法的な壁はまだ厚いものがある。相続権についても認められていないなど社会的な認知度はまだ低いといわざるを得ない。それでも、一部地方自治体でも同姓婚への許容がなされるようになったことの意味は小さくない。
 
 
    社会の価値観が変わるときは、一気であり、変化の流れは非常に速い。そこで保険である。保険は、社会の変化には敏感であるべきだろう、つまり「社会の形」その一形態としての「家族の形」が変化していくときにはそこに寄り添っていくのが「保険の形」ではないのかと思う。「少子高齢化」ももちろんそうだが、「自然災害の多発化」もそうだろうし、さまざまな側面で社会が変わろうとしている。そうした「小さな変化」を見逃さず、そこに寄り添っていく姿が求められる。

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