慶応義塾大学出版会
税込価格 3,150円(本体3,000円+税)
発行年月 2002年10月 判型 A5 ISBN 9784766409598
現代保険業が挑戦すべき課題について様々な角度から分析し、積極的に提言を試みる論文集。研究者と実務家がそれぞれの立場から保険業の現状と課題を分析した、産学協同研究の成果。慶應義塾保険学会設立50年記念出版。
はじめに――新世紀の保険に限りなき希望を!……………庭田 範秋
第Ⅰ部 保険理論の再構築と挑戦
第1章 現代保険学の課題………………………………………石田 重森
1.保険の発展と保険学の動向
2.従来の保険学と保険学研究
3.保険の機能分析と保険学
4.保険学の普及と保険学者の育成
第2章 保険事業における民営と官営の関係
――わが国の史的考察と現状分析――………………庭田 範秋
1.ゆれ動く日本経済と保障事業
2.民営と官営の保険・保障における関係史
3.民営と官営の保険の接点
4.なぜ官の保険が民の保険のあり方に接近するのか?
5.官営としての社会保険の民営化の問題点
6.官営保険を民営保険にする際の特別考慮を要する事項
第3章 生命保険相互会社の経営行動と規制
――コーポレート・ガバナンスの観点から――……石田 成則
1.はじめに
2.生命保険事業における生産概念
3.生命保険市場における価格差別とサーチ
4.経営者行動の再検討――非価格競争と費用選好行動――
5.生命保険事業の健全性と経営効率化
第4章 戦後保険業の発展と保険政策の転換
――その評価と課題――………………………………堀田 一吉
1.戦後保険業の発展と保険システム改
2.戦後保険行政の特徴と保険政策の転換
3.保険契約者から見た保険自由化の意義
4.保険政策の今後の課題
第2部 保険事業の現代的課題と挑戦
第5章 保険契約の国際会計基準と保険事業の課題…………藤田 裕一
1.保険契約の国際会計基準とは
2.保険契約の国際会計基準の必要性
3.現行会計と現在検討されている保険契約の国際会計基準との違い
4.Draft Statement of Principles (DSOP)の概要
5.保険契約の国際会計基準導入に伴う保険事業の課題
6.結語
第6章 損保事業における顧客満足(CS)の実践的考え方…部村 啓介
1.はじめに
2.顧客・市場からのメッセージ
3.顧客の反応
4.パラダイムの変化
5.新しいパラダイムへの阻害要因
6.成功企業のエッセンス
7.おわりに
第7章 団体定期保険の最近の動向と将来像…………………高田 俊行
1.はじめに
2.団体定期保険の契約動向
3.団体定期保険の仕組み
4.団体定期保険の最近の動向
5.団体定期保険の課題
6.団体定期保険の将来像
7.おわりに
第8章 共済事業をめぐる諸課題
――JA共済の現状と課題を中心として――………平田 明義
1.はじめに
2.共済事業の現状
3.JA共済の現状
4.共済事業をめぐる今日的課題
5.共済事業経営と情報開示
第9章 コーポレート・ガバナンスの視点からの子会社調査について
…………………………………………………河本淳孝・藤野盾臣
1.はじめに
2.子会社調査権の概要
3.監査役の義務
4.子会社調査権に対する拒否権の範囲
5.責任の成立範囲
6.おわりに
第10章 切迫する東海地震と地震保険の課題
――静岡地区の例を中心に――………………………泉瑞則昭
1.はじめに
2.東海地震の現状と予知可能性
3.阪神淡路大震災と東海地震の被害規模
4.地震保険普及率の現状と拡大方策
5.制度改善の動向
6.地震保険損害処理体制の強化策
7.おわりに
第3部 新しい事業領域展開の可能性と挑戦
第11章 金融・保険の融合と保険事業の今後の展開………武田 祐一
1.はじめに
2.金融・保険の融合とその背景
3.金融と保険の相互参入
4.金融と保険:相互理解と使い分けの重要性
5.金融・保険の融合とわが国保険業界の進路
6.おわりに
第12章 生保商品開発の動向と今後の課題…………………鈴木 紀明
1.はじめに
2.生保を取り巻く環境の変化
3.環境変化における生保の対応
4.今後の商品開発の動向・課題
5.まとめ
第13章 情報技術(IT)時代と保険業
――IT時代の損害保険業界の経営戦略――………岩田 雅之
1.はじめに 271
2.「お客様志向の業務プロセス」への変革
3.業務プロセスを改革するIT戦略
4.ITリスク・マネジメント
5.ITガバナンス
6.おわりに
第14章 地球環境問題と損害保険事業………………………富沢 泰夫
1.はじめに
2.地球環境問題
3.地球環境問題と損害保険
4.環境問題における損害保険会社の役割
5.おわりに
第15章 企業リスクマネジメントの展開と損保産業……………後藤 和廣
1.はじめに
2.社会全体で実践するリスクマネジメントの枠組み
3.企業リスクマネジメントの概要
4.企業リスクマネジメントの展開と損害保険事業
5.おわりに
あとがき
索引